大河 『真田丸』 第12話「人質」の名言64個・感想/第13話注目ポイント/解説:鉄火起請(てっかぎしょう)を本当にやった戦国武将は?
2016/04/04

この記事では、NHK大河ドラマ『真田丸』について、名言・名セリフや感想を書いています。
※ネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。
前回の記事 大河 『真田丸』 第11話「祝言」の名言52個・感想/第12話注目ポイント/解説:室賀正武による真田昌幸の暗殺は史実?フィクション? もどうぞ!
目次
1. 第12話「人質」の解説:鉄火起請(てっかぎしょう)を本当にやった戦国武将は?
2. 名言・名セリフ64個で名場面を振り返る『真田丸』第12話「人質」
第12話「人質」の解説:鉄火起請(てっかぎしょう)を本当にやった戦国武将は?
1. 鉄火起請(てっかぎしょう)とは?
真田丸第12話「人質」で登場した、「鉄火起請(てっかぎしょう)」は、室町時代に行われていた、争い事や揉め事を収める時の儀式の一つで、裁判の一種とも考えられます。
鉄を赤くなるまで焼き、対立する2人がそれを手に持って神棚まで運び、最後まで落とさずに運びきった方が「正しい」と判断されるルールで、主に土地の境を決める時など、あらゆる証拠を元にしても結論が出ないような場合に、行われていたようです。
これと似たような儀式として、「湯起請(ゆぎしょう)」という、熱湯の中に手を入れて火傷の具合で判断するというものも同時代に行われていたようです。
2. あの有名な戦国武将が本当に焼いた鉄を掴んだ?
大河ドラマ「真田丸」における鉄火起請のエピソードは、ドラマオリジナルのフィクションですが、戦国時代の記録として、自ら鉄火起請の鉄火を握ったと言われている戦国武将がいます。
それは、戦国武将の中で一番有名と言っても過言ではない、織田信長なのです。
信長の家臣・太田牛一が執筆したということで、史料としての価値が高いと言われている「信長公記」に、以下のようなエピソードが載っています。
ある時、池田恒興の家臣である左介という者が、鉄火起請をやって鉄火を取り落としたが、その当時は織田家の中で池田の力が大きかったので、その家来は左介を庇って処罰されないようにしようとしていた。たまたま、この騒ぎの時に、鷹狩から帰る途中の織田信長が通りがかり、「弓や槍を持って大勢の人間が集まっているが何事か?」と聞いた。
双方の申し分を聞いた信長は、「どのくらい鉄を焼いて取らせたのか。その通りにやったら見てやろう。」と言った。
家臣が鉄を焼いて、「このように鉄を赤くして取らせたのです。」と言うと、
信長は「わしが鉄火起請を取ることが出来たら、左介を成敗しよう」と応じて、本当に焼いた鉄を手に持った。
そして、三歩歩いて神棚に鉄火を置くと、「確かに見ていたな」と言って、左介を成敗した。
何とも凄まじいエピソードですね。
もちろん、信長公記の史料価値が高いとは言っても、見聞きしただけの話も載せられているので、全てが本当である訳ではありません。
それでも、一般的なイメージの「信長らしい」を地でいく逸話と言えるでしょう。
名言・名セリフ64個で名場面を振り返る
『真田丸』第12話「人質」
(放送日:3月27日/再放送:4月2日)
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助けを求めに来た時のお主の顔が忘れられなかった。 あの時、お主は命を賭けていた。
そして、その賭けに必ず勝ってみせるという自信に溢れていた。 あれはそういう目じゃ。
会いたかったぞ、源次郎。
上杉は『義』のある戦いしかせぬ。 己の欲望のためだけに他国を侵略する事はない。 謙信公の教えじゃ。
国づくりのおおもとは民が安心して暮らせるようにする事。 民の心をつかまなくて、何が国づくりじゃ。
沼田城というのは、いくら何でも無理ではないでしょうか。 そもそも沼田城を渡す渡さないで北条と揉めておるのです。
それゆえ上杉に助けを求めているというのに、その沼田を上杉に渡してしまっては、もう何だか分からなくなります。
さよう、先送りにしておる。
そこはほれ、何事にも格好をつけられるお方だから。
できない約束ばっかりなさるから、全部こっちにしわ寄せが来る。
いま少し考えてから、お話になってほしいものだ。
北浜の治兵衛が途中で落としたら、あの浅瀬は南浜のもの。 南浜の又吉が落としたら、あの浅瀬は北浜のもの。
2人とも落とさなんだら、やけどの軽い方が勝ち。
私は鉄火起請などやめた方がいいと思っている。 お奉行はこれより他に手はないと思ってらっしゃる。 つまり、私とあなたの言い分はまるで噛み合わない。
どちらが正しいか、ここで神様に聞いてみようではありませんか。 鉄火起請、私達もやりましょう。
わしがしっかりしておれば、神頼みにすがる事もないのだ。
民の暮らしを守り、民の心を育てる。 それがひいては強い兵をつくり、強い国をつくる事にもなる。 お主に大事な事を教わったのう。
ふと思った。 お主のような子が欲しかった。 安房守は果報者じゃ。
籠城はせん。 誰でも考える策じゃ。 誰でも考えるという事は、敵も考えるという事。 相手の上を行かねば、戦には勝てぬ。
策は考えた。 だか、駒が足りぬ。 今にして思えば、源次郎を人質に出したのが、痛かったな。
あらすじ 第12回「人質」|NHK大河ドラマ『真田丸』
『真田丸』 第12話「人質」(3月27日放送)の感想
第12話「人質」では、副題の通り信繁が上杉家の人質となりましたが、今までの回に登場した人質と比べると、「客分扱い」ということで、どちらかというと「人質は見た」的な、上杉家の内情が明るみに出た回でしたね。
その中心は、もちろん上杉景勝と直江兼続です。
社会人経験のある方ならば誰でも、
「ああ、こういうお偉いさん見たことあるなあ」
「その横にこういう部下がいるよなあ」
と思ったのではないでしょうか。
それでは、上杉家の主従で学ぶ「サラリーマンあるある」といきましょう。
その1. 「ええかっこしい」の上司が何でも安請け合いする
領民の訴えには簡単に「早々に良い答えを出そう」と言ってしまう上司・景勝様。
それなりの立場にある人の言葉なので、言われた方は本気にしてしまいますが、具体的な策は考えない。
「民の心を掴むのが国づくり」というビジョンは正しいのですが、具体的なオペレーションは部下に任せきりの状況です。
そんな景勝に呆れた家臣は「先送り」「門前払い」にするのを仕事にしてしまう体たらく。
確かにこんな上司がいたら、部下は「また出た」と、間に受けなくなってしまいますよね。
その2. そんな上司がやる気になると部下は忙しくなる
信繁の鉄火起請の一件に影響を受けて、真面目に領民の訴えと向き合うようになった景勝様。
しかし、そのとばっちりを受けるのは、やはりナンバー2の兼続です。
確かに部下としては「上司がいい加減」というのは、息抜きできる理由にもなるのですが、その上司がちょっと細かいことで口を出し始めると「うわっ、面倒くさいなー」と思ってしまうこと、ありませんか?
兼続が信繁に恨み言を述べるシーンで思わず、「ウンウン」と頷いてしまったナンバー2の方も多いのではないでしょうか。
その3. 苦言を言いながらも部下はちゃんと用意している
徳川氏の真田氏への出兵に際して、「真田を守ると約束したのだから上杉家は何としても兵を出す」と言って聞かない景勝様。
それに対して「無理です」と突っぱねながらも、何だかんだでちゃんと兵を用意している兼続。
「こんなこともあろうかと」と言わんばかりの兼続に、「こんな部下が欲しいわー」と思ったナンバー1の方も多いのではないでしょうか。
しかし、そんな兼続であっても、「人質である信繁が戦のために国へ戻りたい」という申し出を許可する景勝様には思わず声が裏返ってしまいましたね。
「イケボ(イケメンボイス)」とも呼ばれる「いい声」には定評がある村上新悟さん演じる直江兼続ですが、そんな冷徹・冷静沈着な兼続が初めて?動揺したシーンが印象的でした。
さて、今回のもう1つのテーマは「怖い女」でしょうか。
その1. 「ストーカー宣言」する、きり
せっかく株を上げるチャンスだった長澤まさみさん演じる、きりは、信繁からのお礼の言葉に対して「ずっとつきまとう」的な恐怖の発言。
うーん、きりちゃん推しの当ブログではありますが、ちょっと擁護しにくいですね……。(笑)
その2. 「子供が出来た」と嘘を付くが本当に妊娠していた、梅
妊娠検査薬のなかった時代に「妊娠した」と言って結婚までしておきながら、実は「何となく」だったという、黒木華さん演じる、お梅。
と思ったら、しっかりその直後には娘を産んでいます。
でも、女性に聞くと「何となく子供が出来た気がしたらやっぱり出来ていた」という話はあるので、梅の策が当たった、賭けに勝ったということなのでしょう。
その3. 軍師ばりに策を進言する、家康の側室・阿茶局
上田城の建設が失敗であったとズバリ言い切った上で、さらっと「お潰しになったらいかがですか」と薦める、斉藤由貴さん演じる阿茶局。
もはや本多正信の仕事を奪っている感がありますね。
家康の爪の噛み癖をたしなめる場面も合わせて、どんどん家康に対して地位が向上しています。
阿茶局は大坂の陣において交渉で活躍する場面があるはずなので、まだまだ出番は増えていくのでしょう。
番外編 ため息と覗き見だけで存在感を出す、母上・薫
絶対に認められない息子・信繁と、梅の結婚。
でも、孫の顔は見たくて仕方がない。
そんな、薫を演じる高畑淳子さんの「顔芸」はさすがですね。
次回『真田丸』 第13話「決戦」(4月2日放送予定)の注目ポイントは?
次回の第13話「決戦」では、1585年8月に起きた「第一次上田合戦」が描かれます。
真田の兵2,000に対して、徳川の兵は7,000と3倍以上。
この圧倒的に不利な状況をどのように打開するかが見所となっています。
真田方の主力は上田城に篭もる真田昌幸と、砥石城に入った真田信幸。
一方、徳川方を指揮するのは、鳥居元忠(とりいもとただ)・大久保忠世(おおくぼただよ)・平岩親吉(ひらいわちかよし)の三将です。
なお、今回新登場する3人の武将の配役は以下の通りです。
鳥居元忠(とりいもとただ)役:大堀こういち さん
大久保忠世(おおくぼただよ)役:中野剛 さん
平岩親吉(ひらいわちかよし)役:東武志 さん
これまで「戦わずして勝つ」ことが多かった真田家ですが、ついに大規模な合戦に臨むこととなります。
ちなみに、真田信繁が兵を率いていたという記録がないのですが、ドラマでは、ある「奇策」により徳川勢を翻弄する役目を昌幸から命じられるようです。
また、もう一つ気になるのが、娘・すえを産んだばかりの梅。
予告編では、
「私はこの子のために戦いに行くの。」
という、ある意味「死亡フラグ」とも言えるようなセリフがあります。
確かにその生没年は不詳なので、脚本としてはここで「梅を殺してしまう」ことも可能ではありますが、どうでしょうか。
さて、その結末やいかに……!?
あらすじ 第13回「決戦」|NHK大河ドラマ『真田丸』
追記1. 真田丸「徳川秀忠」役が星野源さんに決定
徳川家康の後継者であり、関ヶ原の戦いの前哨戦・第二次上田合戦で真田昌幸・信繁父子に煮え湯を飲まされることになる徳川秀忠役を俳優・ミュージシャンの星野源(ほしのげん)さんが演じることが決定したそうです。
近年の大河ドラマでは、2011年放送「江 ~姫たちの戦国~」では向井理さん、2009年放送「天地人」では中川晃教さん、2006年放送「功名が辻」では中村梅雀さん、2000年放送「葵 徳川三代」では西田敏行さん、といった俳優が演じてきましたが、皆さんの記憶に残っているのは、どの徳川秀忠でしょうか?
秀忠は家康と比べて「気弱」「優柔不断」といったイメージで描かれることが多いですが、今回は家康自身がそんなキャラクターなので、もしかすると「今までにない秀忠」が見られるかもしれませんね。
追記2. 第12話「人質」の視聴率は17.9%
2016年3月27日に放送された「真田丸」第12話「人質」の視聴率は、前回第11話「祝言」の15.6%を2.3%上回る17.9%だったことがビデオリサーチ調べで分かったそうです。
第8話の17.1%以来、4週間ぶりに17%を超えたことになり、第7話以降の右肩下がりの傾向にストップをかけた形となりました。
来週の放送、第13話の「信繁青春編クライマックス」へ向けて、視聴率も盛り上がってきた感じですね!