ITエンジニアを強くする言葉。

このブログではシステムエンジニアやプログラマ、プロジェクトマネージャーがIT業界を生き抜くための支えとなる古今東西の名言や言葉を紹介します。

大河 『真田丸』 第18話「上洛」の名言・感想/第19話注目ポイント

      2016/05/14

大河ドラマ「真田丸」」第18話「上洛」
卑怯者で何が悪い!/総じて色味が悪すぎる/恫喝しております/わしはどこで間違った?/など大河『真田丸』第18話「上洛」の【名言・名セリフ】と感想、次回第19話「恋路」の注目ポイントを紹介します。名セリフのTwitter簡単投稿も!

この記事では、NHK大河ドラマ『真田丸』について、名言・名セリフや感想を書いています。
※ネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。

前回の記事 大河 『真田丸』 第17話「再会」の名言・感想/第18話注目ポイント もどうぞ!

大河 『真田丸』 他の回の名言・名セリフ・感想を読む

名言・名セリフで名場面を振り返る
『真田丸』第18話「上洛」
(放送日:5月8日/再放送:5月14日)

各セリフのを押すと、真田丸の名言・名セリフを簡単にTwitterでシェア・投稿することができます。

真田源三郎信幸(さなだ げんざぶろう のぶゆき) 真田信繁の兄/キャスト:大泉洋(おおいずみ よう)
源次郎から文が届きました。 秀吉は父上を大名に取り立てるとの事。

真田安房守昌幸(さなだ あわのかみ まさゆき) 真田信繁の父/キャスト:草刈正雄(くさかり まさお)
気に入らん。 大名の座とは力ずくで勝ち取るものではないのか。
わしはあやつの家来ではない。

出雲阿国(いずも の おくに) 芸者/キャスト:シルビア・グラブ
飛び込んでくるっ! やってみて。
よ~お、はっ! はっ! はい! ひ~ふ~み~。
はい、いい感じです。 もう一回ですよ。

真田源次郎信繁(さなだ げんじろう のぶしげ) キャスト:堺雅人(さかい まさと)
利休様、お聞きしたい事がございます。
人は、何かひどく哀しい目に遭った時、それまでの事を全て忘れてしまう事など、あるのでしょうか?
そして、別人として生きていく事ができるのでしょうか?

千利休(せん の りきゅう) 茶人/キャスト:桂文枝(かつら ぶんし)※元・桂三枝
そうでんなあ……。 人の心は謎。
源次郎殿、手前は何でも知ってる訳ではない。 そないな事、聞かれても分からしまへん。

直江兼続(なおえ かねつぐ) 上杉家臣/キャスト:村上新悟(むらかみ しんご)
安房守殿、一日も早く上洛なされ。 御屋形様も心配しておられる。 関白殿下を甘く見てはなりませぬぞ。

真田昌幸
上洛するか否かはそれがしが決め申す。

直江兼続
拒めば関白殿下は全力でこの上田に攻め込んできましょう。
上杉の顔を潰さぬようにお願いしたい。 真田のため、そして上杉のためにも、一日も早い上洛を。
大名か死か。 取るべき道は明らかでござろう。
御屋形様は関白殿下に対し、真田を許すようとりなしておられる。

真田昌幸
どうすればよいものやら……。
わしには領地を守り抜く務めがござる。 そのためには大名になるしかありません。
しかし、それは秀吉に従うという事。 死に物狂いで戦ってきた果てに、武田に縁もゆかりもない男の家来になるというのでは……。
これでは割に合いません。

とり 真田信繁の祖母/キャスト:草笛光子(くさぶえ みつこ)
さようですね。

真田昌幸
そろそろ答えを出さねばならぬようです。

とり
ではこうしましょう。 うそでもいいから、頭を下げなさい。
強い者に従う。 真田はこうやって生き延びてきた。
下手に出て牙を隠して爪を隠して、この先、秀吉の勢いに陰りが見えたら、寝首を掻く。
卑怯者で何が悪い! ん?

真田昌幸
秀吉に会うてくる。 上洛するぞ、源三郎。

高梨内記(たかなし ないき) 真田家臣/キャスト:中原丈雄(なかはら たけお)
しかしそれは、秀吉の家来になるという事ではありませぬか?

矢沢頼綱(やざわ よりつな) 真田昌幸の叔父/キャスト:綾田 俊樹(あやた としき)
沼田はどうなるのだ。 これまで我らで必死に守り抜いてきた沼田は!

真田信幸
秀吉に仕えた大名たちは皆、本領を安堵されているとの事。 今までと何も変わりませぬ。

矢沢頼綱
嫌じゃ嫌じゃ! 何で今更、秀吉の下なんぞにつかねばならんのだ!

真田昌幸
案ずるな。 頭は下げても、ここは渡さん。

松(まつ) 真田信繁の姉/キャスト:木村佳乃(きむら よしの)
だからさ、あんたなんか知らないんだってば。

真田信繁
本能寺の謀反の折、安土城から抜けだした姉上は、明智の兵に囲まれ、琵琶湖に身を投じました。


もう、ほっといてよ!
あんた、何がお望みなの?

真田信繁
茂誠様は姉上の死を嘆き悲しまれ、今も恐らく琵琶湖のほとりに!


この一座で阿国さんの次に踊りがうまいといわれてるの。 だから、あんたなんか知りません!

出雲阿国
大津の辺りで演じておりました時、寝泊まりしていた神社にあの子はふらっと現れて、名前を聞いても、素性を聞いても、答えがない。
行き場所もない様子で、しょうがないから私どもで引き取る事に。

真田信繁
お願いがあります。 姉を引き取る訳にはいかないでしょうか?

出雲阿国
お藤さんを引き取ってもらえるなら、こんなにうれしい事はありません。
実は手を焼いていたんです。 あんなに踊りの下手な子は初めて。
ただ手足をぶらぶらさせているだけで、どうにも気持ちが悪い。
人気なんて全くありませんよ。

真田信繁
そういう訳で、姉上は私が預かる事になった。


阿国さん、何と言ってました? 私なんてもういらないって?
やっぱり足引っ張ってたのかな。 自分でもひどいと思うもの。

真田信繁
とにかく、もう何も心配いりませぬ。 姉上はゆっくり養生して下さい。


養生って、別に私、疲れてませんけど。
その『姉上』っていうのやめてくれない? せめて妹に。

羽柴秀吉・豊臣秀吉(はしば ひでよし・とよとみ の ひでよし) 関白・太閤/キャスト:小日向文世(こひなた ふみよ)
寧! 寧はいるか!? 決まったぞ、太政大臣! 太政大臣!
信長公もなれなかった太政大臣じゃ! わしはついにあのお方を超えたんじゃ!
かの源頼朝も征夷大将軍にはなったが、太政大臣になれなかった!

寧・北政所(ねい・きたのまんどころ) 秀吉の正室/キャスト:鈴木京香(すずき きょうか)
おめでとうございます!

羽柴秀吉
さほどうれしゅうはない。

茶々・淀(ちゃちゃ・よど) 秀吉の側室/キャスト:竹内結子(たけうち ゆうこ)
ですが、征夷大将軍より偉いんでしょ?

羽柴秀吉
官位が何じゃ。 わしはそんなものが欲しくて、ここまでやってきた訳ではない。
信長公が果たせなかった事を引き継ぐ。 望みはただそれだけ。

茶々
伯父上の望み……?

羽柴秀吉
日の本の大名をまとめていくには、どうしても高い官位がいるんじゃ。
天下平定がなれば、いずれ天子様にお返しするつもりだ。
そういえば、お前の親父が来るぞ。
ようやく書状が届いた。 早く頭下げておけばよかったものを。

茶々
滅ぼすの?

羽柴秀吉
どうするか、今考えておるところだ。

出浦昌相(いでうら まさすけ)信濃の国衆/キャスト:寺島進(てらじま すすむ)
信長も天下まであと一歩のところで転んだ。 秀吉もそうならぬとは誰も言えぬ。

真田昌幸
秀吉ごときの世がそう長く続く訳はないのじゃ。
この先、必ず何か起こる。 それまでの辛抱と思うておる。

出浦昌相
やつの懐に飛び込んで時を待つのだな。
何ならわしが、明智光秀になっても構わぬぞ。

真田信繁
アハハハ! よく父上を説き伏せて下さいました。

真田信幸
苦労させられたぞ。
俺は少し腹を立てておる。今夜はここで一泊とか。 城にも入れず、かような古寺に泊まれというのは、どういう事だ?

真田信繁
大坂城は案外泊まれる部屋が少ないのです。

真田信幸
上杉や徳川は御城内に泊まったと聞いたが。 我らの領地は小さいかもしれないが、それにしても!

真田信繁
石田様に掛け合ってみます。

真田信幸
それより、早く父上に会ってやれ。

真田信繁
父上! お元気そうで何よりです。

真田昌幸
ハハハハ! 息災であったか!
何じゃ何じゃ、こぎれいになりおって。

真田信幸
都のにおいがするぞ。

真田信繁
兄上は……。 土のにおいがします!

真田信幸
ばかな事、言うな!

真田昌幸
随分とまた、でかいものを造りおったな。
お前なら、どう攻める?
城はのう、大きければ攻めにくいというものではない。 むしろ大きいと守りの手薄な場所が必ず出来る。 それを見つける。
城周りの絵図面が欲しいのう。

真田信繁
今、城から一里ほど離れた寺に入っております。
今から御城中のどこかに移る事はできないでしょうか?

石田三成(いしだ みつなり) 羽柴家重臣/キャスト:山本耕史(やまもと こうじ)
無理だな。
向こうは大大名。 真田はただの国衆にすぎぬ。

真田信繁
父上が心配だ、いろんな意味で。

きり 真田信繁の幼なじみ/キャスト:長澤まさみ(ながさわ まさみ)
これからは殿下の家来になる訳でしょ。
よかった。 これからは殿下が守ってくれんですね。
しっかりね!

薫(かおる) 真田信繁の母/キャスト:高畑淳子(たかはた じゅんこ)
上洛する時は連れて行くとおっしゃったのに!
ひと言、言って下さってもよいではありませぬか。 私が草津に湯治に行っている隙に行ってしまわなくても。

とり
ひと言、言えば、三言も四言も返ってくるでしょう。 それが煩わしかったんでしょうね。
吉野太夫(よしの たゆう) 舞妓/キャスト:中島亜梨沙(なかじま ありさ) ※元宝塚・羽桜しずく
重なるは 変わるはじめか おぼつかな♪

真田昌幸
しかし、殿下もこんな席を用意してくれるとは、気が利いておるではないか。

真田信繁
気配りのお方ですから。

真田昌幸
いや~見事見事! ハハハハ!

吉野太夫
では、ごゆるりと。

真田昌幸
あなたも一杯いかがですか?

吉野太夫
これにて御免をこうむりまする。

真田信繁
無理を聞いてくれて、かたじけない。

吉野太夫
いっぺんでも来てくださった方は、うちらにとっては大事な常連さんです。

真田信繁
くれずれも、勘定は石田様の方に回さぬように。 私が払いますので。

吉野太夫
心得ております。

真田昌幸
秀吉とはどんな男だ?

真田信繁
とんでもない男ですね。 信長、家康に勝るとも劣らない器の大きさを感じます。
お調子者にも見えますが、その裏に私は深さと恐ろしさを見ました。

真田昌幸
厠じゃ。
いやいやいや。 ずっと一人でやってきた。

真田信幸
源次郎……。 本当のところを聞かせてくれ。 秀吉の時代は続くと思うか?

真田信繁
あのお方は本気で戦国の世を終わらせようとしています。
これからは日の本が一つの大きな国になるのです。

真田信幸
という事は源次郎。 戦場で暴れまくる日は、もう来ないのか。
父上の話ではない。 我らの話だ。
我らは生まれてくるのが、いささか遅すぎたのかもしれんな。

真田信繁
殿下のお気に召すとよいですね。

真田昌幸
上物よ。 必ずや喜んで頂けるはず。 わしが欲しいぐらいじゃ。

真田信繁
父上! 石田治部少輔様でございます!

真田昌幸
息子、源次郎がお世話になっておりまする。

真田信幸
源次郎が兄の……。

石田三成
時が惜しい。 その辺で。

片桐且元(かたぎり かつもと) 羽柴家重臣/キャスト:小林隆(こばやし たかし)
殿下への献上品の検分に参りました。

真田信幸
信濃の産物を取りそろえ申した。 どれも上方では手に入らない貴重な品ばかり。

石田三成
総じて色味が悪すぎる。
とりあえず箱だけでも鮮やかな色のものに差し替えましょう。 それでだいぶ見栄えが増す。
何だ? これは。

真田信幸
猪と熊の毛皮でございます。

真田信繁
冬は羽織ると暖かいですよ。

石田三成
臭いな。

片桐且元
うぐっ!

石田三成
臭いはなんとかならぬのか。

真田信幸
これはそういうものなのでございます。

真田昌幸
いいから片づけよ。

石田三成
後ろの方に押し込んでおきましょう。

羽柴孫七郎秀次(はしば まごしちろう ひでつぐ) 秀吉のおい/キャスト:新納慎也(にいろ しんや)
近江宰相 豊臣秀次である。
真田安房守、この度は上洛、大義であった。
治部。

石田三成
安房守、本日より真田の領地を安堵致す。 いかなる者も関白殿下のお許しがない限り、真田領を攻める事はない。

真田昌幸
ありがとうございます。

石田三成
安房守も、今よりは関白殿下の臣下として尽くすように。 以上である。

羽柴秀次
以上である!

真田信幸
こんな無礼な事があるか!
父上はないがしろにされたのだ! 悔しくはないのか、源次郎!

真田信繁
もちろん、悔しゅうござる。
殿下は徳川家康を気にかけておられます。 その家康を撃退したのが父上。 一目置いているのは間違いありませぬ。

真田信幸
ここまでないがしろにされて引き下がれるか。
殿下の口から直々お言葉を頂かない限り、上田に帰る訳にいかぬ。 石田治部にそう伝えろ!

真田昌幸
そう、ないがしろ、ないがしろ言うな。
呼びつけておいて顔も見せぬとは、礼儀を知らぬ大ばか者じゃ。

真田信繁
父上! こちら大谷刑部少輔様。

大谷吉継(おおたに よしつぐ) 羽柴家重臣/キャスト:片岡愛之助(かたおか あいのすけ)
上田城で僅か2,000の兵で7,000の徳川を迎え撃ったご武略。 楠木正成の再来ともいわれるそのご尊顔、一度拝したく思っておりました。

真田昌幸
ああそうですか。 さあさあどうぞ、お座り下され。

真田信繁
どうしてもお願いしたい事があるのです。

茶々
取り次いであげてもよいけれど、その代わり、私の頼みも聞いてくれますか?

真田信繁
もちろん。

羽柴秀吉
今は忙しいのだ。 九州征伐の支度やら何やらで。

茶々
会ってやればよいではないですか。 今日だってずっと私とかるた、やってたでしょう。

羽柴秀吉
ばか、それを言うな。

真田信繁
父は帰って戦支度をするつもりでいます。 真田を敵に回すのは得策ではございませぬぞ。

羽柴秀吉
わしを恫喝するか。

真田信繁
恫喝しております。

羽柴秀吉
関白太政大臣 豊臣秀吉である。
真田安房守昌幸。 此度の上洛、まっこと大儀であった。
わしは誰よりもそなたを家臣にしたいと思っておったぞ。 その知略と度胸、豊臣の大名として、これからはわしのために使うてくれ。
頼りにしておるぞ、安房守。

石田三成
殿下はこれより、新しき世の仕組みをお作りになられる。 惣無事令もその一つ。 もちろん存じておるな。
しかしながら、万一、戦となった時、誰が誰に従って軍勢を動かすか、そこだけははっきりとしておかねばならぬ。
大名はそれぞれ最寄りの大大名の与力となり、出陣の時はその下知に従う。 よろしいか?
安房守殿は、徳川の与力となるように。

真田信繁
お待ち下さい。 殿下は真田に徳川の家来になれと仰せられますか?

石田三成
家来ではない。 与力だ。 力を貸すのだ。

真田信繁
父に徳川の下で戦えと命じるのでございますか?

羽柴秀吉
そのかわり、真田の領地は徳川が守る。 北条が攻めてきたとしても、徳川が楯となってくれる。 どうじゃ安房守。
上田に帰る途中、家康のところへ寄り、挨拶をしていくように。 明朝、駿府へたて。

徳川家康(とくがわ いえやす)東海の戦国大名/キャスト:内野聖陽(うちの せいよう/まさあき)
関白殿も味な事をしてくれるのう。
真田安房守がわしの前で頭を下げる日が来るとはな。 それも、こんなに早く。
フフフフフ……。 ハハハハハハ!

本多正信(ほんだ まさのぶ) 徳川家康の参謀/キャスト:近藤正臣(こんどう まさおみ)
ハハハハハ!

真田昌幸
面白いのう……。 人の世というものは……。
武田が滅んでから今日まで、裏切り、裏切られ、己の全てを懸け、知力の限りを尽くして戦った。
そのあげく、たどりついたのは、秀吉の家来となった徳川の、そのまた家来。
こんなに面白い事があるか。

真田昌幸
源三郎、源次郎。 わしはどこで間違った?
教えてくれ。 わしはどこで間違った……。

真田信繁
父上、実はもう一つ、お伝えしておかなければならない事がございます。
なかなか折を得られず、今になってしまいました。 会って頂きたい人がいるのです。

真田昌幸
生きておったのか! 松!

真田信繁
残念ながら、皆と暮らしていた頃の事は、全く覚えておりませぬ。


ちょっと、お手をお離し下さりませ。

真田昌幸
わしがわからんのか? わしじゃ!

真田信幸
姉上! 源三郎でございます!


やっぱり、人違いではありませぬか?

真田信繁
どうだろう、みんなで真田の郷の思い出を順に言っていきませんか。

真田昌幸
お前が小さい時、よく、おんぶして裏山行ったよのう。 わしがおんぶすると、お前は必ず背中にしょんべんするんじゃ!

真田信幸
子どもの頃、姉上にはよく泣かされておりました! 沢ガニのはさみを俺の鼻に挟んで!

きり
郷の真ん中に高い木があって、よく2人でそれに登って、下を通る村の男を見ては、あの人は見目がいいとか、あの人は頭がでかすぎるとか、品定めを致しましたね!

真田信幸
そのような事を……。

真田信繁
私がまだ子どもだった頃、なぜか姉上が下さった、ひからびた蛙、えらく気味が悪かったです!


姉上っていうのは、随分変わった人だったみたいね。

真田信繁
父上!

真田昌幸
え……? いや……。
お前はわしがおんぶすると絶対しょんべんするんじゃ!

きり
それしかないんですか!


申し訳ありませぬ。 何も思い出せませぬ。

真田信繁
姉上、焦る事はありませぬ。 時をかけて、ゆっくり思い出していきましょう。

真田昌幸
つらい事があれば、その分よい事もある。 世の中、ようできとるわい……。

きり
カサカサ……。

きり
(回想)近頃かかとがカサカサになっちゃって。 見てくださいよ。


(回想)あら! それはね、潤いが足りてないのよ。

梅(うめ)真田信繁の初恋の相手/キャスト:黒木華(くろき はる)
(回想)淋しさが募ると荒れるって言いますよ。


きりちゃん。 私が貸して上げた手鏡、とうとう返してもらえずじまいでしたよね。

きり
お松様!?


父上! 源三郎! 源次郎~!

真田昌幸
関白殿下の命により、真田安房守昌幸、徳川様の与力として、力を尽くす事、お誓い申す。

徳川家康(とくがわ いえやす)東海の戦国大名/キャスト:内野聖陽(うちの せいよう/まさあき)
面を上げられよ、安房守殿。
武勇名高き真田安房守殿が我らにお味方下されば万人力でござる。 よろしくお頼み申し上げる。
これからは共に力を合わせてまいりましょう。
ハハハハハハ! アハハハハ!

ナレーション 有働由美子(うどう ゆみこ)
真田安房守昌幸、この年より徳川家康の与力大名となる。

『真田丸』 第18話「上洛」のまとめ動画がNHK公式サイトで公開されています。
あらすじ 第18回「上洛」|NHK大河ドラマ『真田丸』

『真田丸』 第18話「上洛」(5月8日放送)の感想

今回の真田丸はサブタイトル「上洛」の通り、真田昌幸と信幸の父子大坂へ向かい、信繁と久々の再開を果たします。
※本来は「上洛」とは、京の都へ行くことを指しますが、ドラマでは便宜的に大坂の秀吉の元へ参上することをそのように呼んでいます。

冒頭は、上田城での昌幸と信幸の会話から。

ようやく源次郎信繁の書状が上田に届いたということで、きっと石田三成の検閲にひっかからないような内容でまとめたのでしょうね。

その内容とは、「秀吉は真田を大名に取り立てるつもりである」というものでした。

さらには、上杉家の重臣・直江兼続も真田家を訪れて、上洛するように説得をします。

「相手のことを考えているようで、最後は上杉家の利を強調する」という、兼続のツンデレ話法は相変わらずでしたね。

そして、いよいよ決断を迫られた真田昌幸は、母である とりの肩を揉みながらボヤくことに。

(このあたりは、「母の日」に放送されることを意識した演出なのでしょうか?)

そこで返ってきた言葉は、さすがのおばば様、といったところ。

「卑怯者で何が悪い!」という言葉には、昌幸の父・真田幸綱(幸隆)の頃からの真田家を見続けてきた、とり ならではの覚悟を感じさせます。

その言葉で踏ん切りがついた昌幸は、源三郎と共に上洛することを決めます。

(大叔父上・矢沢頼綱は、会議の場で相変わらず駄々をコネてあしらわれていました)

一方、前回から再登場した姉上・松?の お藤は、まだ記憶を取り戻していない様子。

自分では踊りが上手いと思っていましたが出雲阿国の評価は散々で、信繁が引き受けたいとの申し出にも「こんなにうれしい事はありません」と言われる始末。

兎にも角にも、信繁の屋敷で一旦引き取り、きりと共に、秀吉の妻・寧に仕えることになります。

そこに現れたのが秀吉。

大声で「太政大臣(だいじょうだいじん)」の官位を得たことを寧に報告したかと思えば、次の瞬間には茶々に向かって「さほどうれしゅうはない」と言い放つ変わり身の早さ。

これも、相手によって言い方を変えるという、秀吉ならではの一流の「人たらし」術なのでしょう。

シーンは変わって、大坂へ向かう直前の昌幸と、出浦昌相の会話。

昌相のセリフ「何ならわしが、明智光秀になっても構わぬぞ。」は、冗談とも本気ともつかない不気味な感じがさすがですね。

ついに大坂へ到着した昌幸と信幸は、久しぶりの源次郎との再会を喜びますが、その宿所は大坂城内ではなく、その近隣の古びた寺という格下扱い

気を悪くした2人のために信繁は石田三成に掛け合いますが、当然そんな訴えを聞いてくれる三成ではありません。

さすがに手ぶらで戻るのが悪いと思った信繁が仕込んだ策が、吉野太夫を招いての宴席でした。

もちろん昌幸・信幸に対しては「秀吉からのもてなし」ということにしていますが、支払いが三成へ行かないように釘を刺すなど、信繁が大坂で覚えた?根回し術で奔走します。

その後、父・昌幸がトイレに行った後の兄弟の会話が印象的でした。

「戦場で暴れまくる日は、もう来ない」という言葉から、温厚そうに見える兄・源三郎信幸にも戦国武将としての矜持があることを示したシーンでしたね。

秀吉との会見を前に、貢物のチェックをしていると、そこに現れたのが石田三成と片桐且元のコンビです。

三成も悪気がある訳ではなく、「どうしたら秀吉にはもっとも効果的か?」という目線でアドバイスをしてくれているのですが、「色味が悪い」「臭い」などストレート過ぎる物の言い方は切れ味が抜群でした。

そんなこんなで、ようやく秀吉との会見! ……かと思いきや、そこに現れたのは、いかにも「代理」な、秀吉の甥・秀次でした。

肩透かしをくらった昌幸と憤慨する信幸。

あくまで秀吉との会見を望む信幸は、信繁に対して石田三成と交渉するように要望します。
(タイミングよく大谷吉継が現れて、昌幸と会えたことを喜んでくれたお陰で、昌幸のご機嫌は少し良くなったようでした)

さて、信繁が三成に相談をするかと言えば、どう考えても無理筋だと判断したのでしょう、茶々様を使うという「奥の手」に頼ることに。

信繁の頼みを聞いてくれた茶々様ではありますが、「その代わり、私の頼みも聞いてくれますか?」の頼みは今回は登場せず。
これは、次回以降で大きな代償を払うことになりそうな予感がしますね……。

そんな茶々の手助けもあり、信繁は秀吉へ、直談判する機会を得ます。

秀吉の「わしを恫喝するか。」に対して、堂々と「恫喝しております。」と返した信繁。

その結果として、秀吉が自ら昌幸と改めて会ってくれることとなります。

会見の場に現れた秀吉が身にまとっていたのは、真田家の貢物に入っていた熊と猪の毛皮でした。

秀吉が昌幸に対して掛けた言葉は「わしは誰よりもそなたを家臣にしたいと思っておった」という、有難いもの。

……が、そんな「アメ」だけで終わる訳はないのが、秀吉。

真田家に対して突きつけた「ムチ」は、今後徳川家の指示に従って軍事行動を取るように、という「徳川家の与力(よりき)」となる命令でした。

そのことを書状で知った駿府の徳川家康と本多正信は、笑いが止まりません。

結局、真田家の上洛ですら、秀吉が家康を懐柔するための「手駒」として使われてしまった訳ですね。

そんな結果となってしまった事に意気消沈する昌幸は、息子2人を相手に「わしはどこで間違った」と繰り返す有様。

ここで信繁は姉上・松?を呼んできます。

織田家の人質となった後、本能寺の変の騒乱の最中で死んだと思っていた松が生きていたことに歓喜する昌幸と信幸。

しかし、それでも松の記憶は戻りません。

そこで信繁の発案で始まったのが、松の思い出話を順番に話すゲームです。

ところが、出てくるエピソードは、「父の背中で小便」「沢ガニに鼻を挟ませる」「高い木の上で男を物色」「干からびた蛙をプレゼント」など、思い出話というよりは悪口大会のような様相に。

結局、これでは松の記憶が戻ることはありませんでした。

今回、松の記憶が戻ることはないのか……と視聴者の誰もが思った次の瞬間。

きりのどうでもいい「カサカサ」のつぶやきに、松が反応します。

そこで思い出されたのが4話の回想シーン

武田家の滅亡後、真田家では裏切り者扱いとなった松の夫・小山田茂誠が隠れているのに勘付いた信幸を撹乱するために、即興で松・きり・梅の3人が始めた女子回トークの場面でした。

まさか、このシーンが伏線になっていたと気づいた視聴者は誰もいなかったでしょう。

そもそも、「脚本を書いた三谷幸喜さんも後付で考えたのでは……?」と思うような展開。

日本中の「かかと で思い出すのかよ!」というツッコミが聞こえてくるようでした。

最後の場面は、駿府城で、真田昌幸徳川家康に挨拶するシーン。

お互いに、過去の遺恨を感じさせないような「表面的」なやり取りがありましたが、最後の最後で徳川家康が高笑いをすることで、「勝利宣言」をしたような形となってしまいましたね。

ただし、史実を鑑みれば、ここで真田家が徳川家の与力となったことが、江戸時代以降に真田家が生き残るためのターニングポイントでもあったし、真田信繁が大坂城で活躍するためのターニングポイントであったとも言えるのではないでしょうか。

次回『真田丸』 第19話「恋路」(5月15日放送予定)の注目ポイントは?

次回のサブタイトルは「恋路」ということで、「男と女」がテーマとなりそうですね。

まずは、「信繁×茶々」の”禁断の恋”です。

秀吉の怒りに触れれば死罪、と頭では分かっていながらも、茶々に惹かれていく信繁を視聴者はハラハラしながら見守ることになりそうです。

ということで、次は「秀吉×茶々」です。

秀吉の茶々に対する好意はこれまでも描かれてきましたが、一方で、これまであまり描かれて来なかった「茶々の秀吉に対する想い」も見えてくるのでしょうか?

さて、忘れてはいけないのが、「秀吉×寧」です。

「どうすれば茶々を側室にできるか」というデリカシーのない秀吉の相談に対して、寧がどのような表情で、どのような回答をするのかというのも次回の見所の一つと言えるでしょう。

最後は、「信幸×稲」です。

既に「こう」という正室がいる真田信幸と、本多忠勝の娘であり、真田家を敵対視している稲の政略結婚。

どう考えても穏やかに事が運ぶとは思えません。

2人が初めて出会うシーンで、大泉洋さん吉田羊さん「洋・羊」コンビが、どのように息の合った(息を合わせない?)演技を見せてくれるのか、今から楽しみですね。

『真田丸』 第19話「恋路」の予告動画がNHK公式サイトで公開されています。
あらすじ 第19回「恋路」|NHK大河ドラマ『真田丸』

追記1. 第18話「上洛」の視聴率は19.1%

2016年5月8日に放送された「真田丸」第18話「上洛」の視聴率は、前回第17話「再会」の17.0%を2.1%上回る19.1%だったことがビデオリサーチ調べで分かったそうです。

これは「真田丸」開始以来、第3位の視聴率ということで、「大坂編」に入ってからドラマ開始当初の勢いを取り戻してきましたね。

追記2. 真田信繁と大坂の陣を共に戦った「毛利勝永」役が岡本健一さんに決定!

NHK公式サイトによると、堺雅人さん演じる真田信繁と大坂冬の陣・夏の陣で共に戦った毛利勝永(もうりかつなが)のキャストが、ミュージシャン・俳優の岡本健一(おかもとけんいち)さんに決定したそうです。

ニュース 毛利勝永役は、岡本健一さんに決定!|NHK大河ドラマ『真田丸』

岡本健一さんはジャニーズ事務所所属で、元・男闘呼組(おとこぐみ)のメンバーであり、息子の岡本圭人さん「Hey! Say! JUMP」のメンバーであることでも知られています。

毛利勝永(もうりかつなが)は、父・森吉成と共に羽柴秀吉に仕えた武将であり、最初は「森吉政」と名乗っていました。
姓を「森(もり)」から「毛利(もうり)」に改めたのは秀吉の発案によるものであり、毛利元就の一族ではありません。

関ヶ原の戦いでは西軍についたため、戦後の所領を没収されてしまい、加藤清正山内一豊など、かつての同僚であった大名にその身柄は預けられることになります。

その後、1614年に豊臣秀頼の招きを受けて大坂城へ入城すると、大坂冬の陣では真田信繁と共に城外へ出兵する策を進言しますが受け入れられず、籠城戦を戦うことになります。

大阪夏の陣では、徳川家康の本陣へ突入するという活躍を見せ、真田信繁隊が壊滅した後も大阪城内への撤退に成功し、最後は豊臣秀頼と共に切腹したと伝わっています。

大坂冬の陣・夏の陣では、大坂方の武将として、真田信繁/毛利勝永の他に、後藤又兵衛(ごとうまたべえ)/長宗我部盛親(ちょうそかべもりちか)/明石全登(あかしたけのり・ぜんとう)を合わせた5人が「大坂牢人(浪人)五人衆」として知られています。

現時点では後藤又兵衛役を哀川翔さんが演じることが決定していますが、残りの長宗我部盛親/明石全登のキャストが誰になるのか楽しみですね!


大河 『真田丸』 他の回の名言・名セリフ・感想を読む