大河 『真田丸』 第10話「妙手」の名言65個・感想/第11話注目ポイント/解説:昌幸の叔父・矢沢頼綱とは?
2016/04/04
この記事では、NHK大河ドラマ『真田丸』について、名言・名セリフや感想を書いています。
※ネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。
前回の記事 大河 『真田丸』 第9話「駆引」の名言57個・感想/第10話注目ポイント/解説:なぜ徳川と北条は和睦した? もどうぞ!
目次
1. 第10話「妙手」の解説:真田昌幸の叔父・矢沢頼綱とは?
2. 名言・名セリフ65個で名場面を振り返る『真田丸』第10話「妙手」
第10話「妙手」の解説:真田昌幸の叔父・矢沢頼綱とは?
ドラマでは真田昌幸から「叔父上」と呼ばれている真田家の家臣・矢沢頼綱(やざわ よりつな)について、史実を基に解説します。
矢沢頼綱は1518年に真田頼昌(さなだ よりまさ)の三男として生まれました。
頼綱の兄が真田幸綱(幸隆)、つまり、真田昌幸の父ですから、真田昌幸から見ると「叔父」に当たる訳ですね。
真田氏と同じ小県の国衆であった矢沢氏の養子に入り、真田氏からは独立した勢力として武田家に仕えていましたが、実際には兄・真田幸綱や、甥・真田昌幸の軍事行動を助け、武田家滅亡後は真田家の家臣として活躍したと言われています。
矢沢頼綱が守備していた沼田城は、1580年に自身が指揮を執り攻略した城で、この時の功績を武田勝頼から激賞され、太刀を授かったという逸話が残されています。
本能寺の変が発生した後、沼田城は北条氏直の叔父である北条氏邦から何度も攻められますが、矢沢頼綱はこれを死守しています。
また、この頃、真田家が織田家から北条家、さらには徳川家と主家を変える中で、矢沢頼綱は昌幸の命により、早くから上杉家に臣従していたとも言われています。
真田昌幸が信幸と信繁をそれぞれ徳川家・豊臣家に付けることで真田家の生き残る道を探ったことはよく知られていますが、それ以前にも昌幸は同じような戦略を採っていたということになります。
北条家と徳川家の和睦が成立すると、その取り決めに従い、北条氏邦の使者が沼田城を受け取りに現れますが、矢沢頼綱はこれを殺した上で、上杉景勝に報告するという行動に出ています。
この後、真田家が豊臣家に従属した際に、沼田城は北条家に引き渡されることになりますが、1590年に北条氏が滅んだ後、息子の矢沢三十郎頼幸と共に、再び沼田領へ戻ることとなります。
1580年代の中頃には、既に息子の頼幸に代替わりしていたと考えられますが、1597年に79歳という当時としては高齢で死去しています。
その後、矢沢家の子孫は代々、松代藩の筆頭家老を務める家柄として、明治時代まで続くことになります。
名言・名セリフ65個で名場面を振り返る
『真田丸』第10話「妙手」
(放送日:3月13日/再放送:3月19日)
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いささか疲れ申した。
では、徳川と戦うための城! 徳川に造らせるというのか……。
わしは家康殿の隣にいる男が気になって仕方ない! 斬り殺されるかと思ったわ。
わしは、ああいう奴が一番苦手じゃ!
私、殿のお言いつけにより、方々から集めてきた人質のお世話をしております。 その中に一人、かなりふてぶてしい老女がおりまして……。
断る! 嫌じゃ! そもそも亡き御屋形様の命を受け、死力を尽くして我らが手に入れた城ではないか!
どうしても渡すというならば、今すぐわしを殺せ!
いや、でも……。 人質のために嫁を取るというのはどうでしょう。お嫁さんは源次郎様の側にいてあげた方が、よろしいのではございませぬか?
これで沼田攻めの口実が出来た。
これより沼田を攻める。 矢沢頼綱以下、城におる者は女子から子どもに至るまで……。 根絶やしにせよ!
聞いたか! 上杉の虚空蔵山城を真田が攻めて、逆に返り討ちに遭ったそうだぞ。
それが笑ってもられねぇんだよ。 勢いに乗った上杉の軍がこっちに向かってくるって話だ。
上野を取り返そうって腹に決まってんだろ。
あらすじ 第10回「妙手」|NHK大河ドラマ『真田丸』
『真田丸』 第10話「妙手」(3月13日放送)の感想
真田丸第10話のタイトルである「妙手」とは囲碁や将棋の言葉で、「通常では予想できないような優れた一手」という意味ですが、それを象徴するようにドラマの中で真田昌幸が碁を打つシーンが何度も登場しました。
(グーグルが開発した碁のプログラムが韓国の李セドル九段に勝利したというニュースが話題になっていましたが、偶然とは言えタイムリーですね。)
今回、真田家が指した「妙手」は2つ。
1つは「徳川方に徳川家へ対抗するための城(上田城)を築城させる」という策。
もう1つは「上杉家と戦の芝居を演じて、北条家を沼田から退却させる」という策です。
前者の策については、源三郎信幸が徳川家康を相手に一歩も引かない毅然とした態度で望み、家康に築城を認めさせています。
後者の策については、源次郎信繁が上杉景勝を相手に「真(まこと)」を説いて、その信用を勝ち取り、(直江兼続曰く)「猿芝居」によって、北条家を撤退させることに成功しています。
※ちなみに、真田が虚空蔵山城を攻めたのは史実ですが、「戦芝居」ではなく、本当の合戦だったので、これは三谷幸喜さんオリジナルのフィクションですね。
今まで真面目で一本槍だが腹芸が出来なかった信幸は、「交渉」という場面で立派にその大役を果たしました。
ただし、信幸自身は交渉後に昌幸の狙いに気づいていますから、ある意味「無心」で交渉に臨んだのが良かったのかもしれませんね。
注目は、真田信幸 VS 本多忠勝 という、将来の婿・舅関係となる2人が対峙する場面ですが、信幸は内心ではビビりながらも、この局面を乗り越えます。
今後、信幸が妻となる小松姫(キャスト:吉田羊さん)と結婚する際に2人がどんなやり取りをするのか、忠勝が優しくなることはあるのか、それを藤岡弘、さんがどう演じるのか楽しみですね。
一方の信繁は、自分自身で策を考えて実行に移し、それを成功させています。
以前に春日信達を調略する際には、叔父・信尹から「理屈で固められると、むしろ心を閉ざす」というアドバイスを貰っていましたが、今回は「意地」や「誇り」といった、上杉景勝が好みそうなキーワードを前面に押し出していたので、信繁の成長が感じられるシーンでしたね。
さらには、梅という伴侶を得て、子どもまで授かったということで、「仕事も家庭も順風満帆」な信繁ですが、果たしてこの幸せはいつまで続くのでしょうか……。
信繁・信幸以外の人物について、振り返っていきましょう。
まずは、第7話「奪回」以来の再登場を果たした、ばば様こと、信繁の祖母 とり ですが、やはりそのキャラ立ちは相変わらず。
斉藤由貴さん演じる阿茶局からは「ふてぶてしい老女」扱いされていました。
真田家の女子を集めて「これより考えて参りましょう。」とは言うものの、その内容までは考えていないあたりに、息子・昌幸の「勘だけで生きておる」のルーツを感じますね。
信幸の言葉に対する「あ? 聞こえん」も鉄板ネタとなっていますが、いつか「聞こえてしまう」日は来るのでしょうか……?
今回、その「悪役っぷり」を印象づけたのが、近藤正臣さん演じる本多正信です。
正信は将来的に(第二次)上田城の戦いで昌幸・信繁親子から煮え湯を飲まされることになる訳ですから、これから様々な策を講じて真田家を苦しめてくれるのでしょう。
普段は勿体ぶった話し方をすることが多い正信だからこそ、「死んでいただきましょう」というセリフのインパクトが強烈でしたね。
今までの回にもチラっと出演していたものの、その存在感がグッと増したのは、叔父上(大叔父上)こと、矢沢頼綱でしょう。
口先一つで戦況が変わっていくこのドラマにおいて、容赦なく使者を切り捨てる「武闘派」として獅子奮迅の働きを見せました。
※ちなみに、矢沢頼綱が北条方からの使者を殺したのは史実と言われています。
もちろん史実では戦を全くしないで真田家が生き残れた訳では無いのですから、頼綱が果たした役割は大きかったのでしょうね。
まだまだ長生きしてくれるので、今後もその暴れっぷりが期待できそうです。
ついに「愛」の兜を身につけた直江兼続は、相変わらず主君である上杉景勝のことが心配でならない様子。
特に真田家を毛嫌いしているという訳ではなく、「景勝への忠義心が高じて信繁に対して厳しくしてしまう」というキャラクターを村上新悟さんが上手に演じていますよね。
上杉景勝を演じる遠藤憲一さんが「抑え目」な演技をしているのが対照的ですが、この主従は、真田家、徳川家、北条家といったアクの強い面々とは一風変わった「上杉家の家風」を描けているところに演出の妙を感じます。
毎回、高笑いを見せていた高嶋政伸さん演じる北条氏政は、ついに今回、笑いをほとんど見せませんでしたね。
いよいよ余裕を失ったかに見える氏政。 まだまだ真田家と北条家の衝突は続いていく訳ですが、ついに激昂するシーンが見られるのか……。
また、参謀役としては本多正信と比べると印象が薄い板部岡江雪斎ですが、そろそろ彼にも名場面や名セリフが欲しいところです。
今回は、ほぼ一言しかセリフがなかった長澤まさみさん演じる きり ですが、次回のストーリーへ繋がる大切な一言だったと思います。
そろそろ、きりの好感度が「うなぎ登り」になるような展開を期待しているのですが、どうでしょうか?
次回『真田丸』 第11話「祝言」(3月20日放送予定)の注目ポイントは?
次回は、信繁と梅の祝言(結婚式)を取り巻く2つの「戦い」がポイントになりそうです。
まずは、梅との結婚を認めようとしない母・薫と信繁の「戦い」ですが、今までにも数々の名言を残してきた母上が、今度はどんなワガママ?で周囲を困らせてしまうのか、楽しみですね。
もう一つは、徳川家の密命を受けた室賀正武と真田昌幸の「戦い」ですが、出浦昌相の忍びとしての活躍や、最後の「黙れ小童!」が聞けるかどうか、等こちらも注目したい点が多くありますね。
さらには、信繁を巡る「戦い」に負けた形となった きりですが、素直に2人の幸せを祝うことができるのか、あるいはツンデレを貫くのか、そんなところにも期待したいと思います。
あらすじ 第11回「祝言」|NHK大河ドラマ『真田丸』
追記1. 第10話「妙手」の視聴率は16.2%
2016年3月13日に放送された「真田丸」第10話「妙手」の視聴率は、前回第9話「駆引」の16.6%を0.4%下回る16.2%だったことがビデオリサーチ調べで分かったそうです。
第7話の17.4%以来、ジリジリと視聴率が下降しているのが気になるところですが、次回・第11話「祝言」の予告編からは「節目の回」となりそうな予感がするので、持ち直してくれることに期待したいですね。