昇進を打診されたエンジニアへ送る本多忠勝の名言
2016/02/11

予想もしなかった上司からの昇進の打診。
新卒でSIerにSEとして入社して10年目。
複数の大小プロジェクトを経験して、「これが自分の強い分野だ!」と言える技術を習得。
顧客からは「次も◯◯さんでお願いしますよ!」と指名される程の信頼関係を築けるようになった。
さらにスキルに磨きを掛けて、大規模な案件で活躍したい……
そう思っていた矢先に、あなたを会議室へ呼び出した上司は、こう切り出しました。
確かに、ここ1,2年で「同期の◯◯がPMになったらしい」という話が増えてきたのは事実。
ただ、「技術一本で飯を食ってやる!」と意気込むあなたにとっては「寝耳に水」でした。
エンジニアとは言っても一人のサラリーマン。
「昇進を打診される」というのは、これまでの仕事での活躍が評価されたことなのですから、出世するのが嬉しくないと言えば嘘になります。
でも。
『管理職になるのではなく、自分はもっと技術を極めていきたい』
『部下を持ちマネジメントをすると、開発の現場で技術に触れる機会が減ってしまう』
『技術に対する責任は持てるが、プロジェクトに対する責任は重すぎる』
プロジェクトマネージャーになることへの不安が頭から離れない……
そんなあなたへ送る言葉が、戦国武将・本多忠勝の名言です。
思量無き人も、思量ある人も ともに巧妙するなり、
思量ある人の功名は 士卒を下知し、
大なる功名を遂ぐるものなり本多忠勝(1548-1610) 出典:常山紀談
(意訳)
物事を考えない人も、考える人も、どちらも成果を出すことはできるが、
物事を考える人の成果は、部下に命令を出しての成果であるから大きいものとなるのだ
本多忠勝とは?
本多忠勝は、徳川家康に仕えた武将の中でも一二を争う猛将として知られ、織田信長から「花実兼備の勇士」と賞賛されています。
戦場では、長さが6mもある愛槍「蜻蛉切(とんぼきり)」を振るい、その生涯において参加した57回の合戦では、かすり傷ひとつ負わなかったという逸話の持ち主でした。
忠勝は、戦において誰よりも活躍できたからこそ、自分一人で発揮できる能力の限界、出せる成果の限界を知って、「部下を使うことの大切さ」を学んだのかもしれません。
その証拠として部下からの信頼も厚く、
「忠勝の指揮下では、背中に盾を背負っているように安心して戦える」
と称されていたとのことです。
まとめ
多くのエンジニアがキャリアパスを考える上で悩むのが、「マネージャーになるかどうかの選択」であると言われています。
もし、あなたが「開発者として技術で会社やチームに貢献したい」と考えていたとしても、一度はマネージャーを経験してみると良いかもしれません。
今までと異なるポジションからプロジェクトに携わることで、その技術の違う一面が見えてくるかもしれません。
あるいは、「技術に強いマネージャー」として、部下からも顧客からも経営層からも信頼されるポジションに就くことができるかもしれません。
残念ながら「やはりマネージャーは向いていない」と転職をすることになっても、開発者に戻った時にマネージャーの経験は生きてくることでしょう。
「あなたがいるとチームのメンバーは背中に盾があるように安心して働ける」
そう言われるようなエンジニアを目指したいですね。